
Pandemic Design
museum project
『いつかのっとかむ』


Pandemic Design「いつかのっとかむ」
作・演出 日野祥太
2022年4月。遂にPandemic Designが本格再始動する。「museum Project」と銘打ち、芝居が行われる劇場空間を飛び出し、日常であるはずの空間に演劇を溶解させる。日常と演劇の圧倒的境界線の消失を目的とするプロジェクトである。今回行われるのは「元映画館」。30年前まで実際に地元で愛されてきた映画館が、
この史上最悪の現在に蘇り、何を思うのか。「元映画館」創立初となる劇空間が、まもなくそこに出現する。
二度と繰り返さない。と誰かが言う。自分でも思う。自分でも思うたび、二度目はあっという間にやってくる。そして教訓なんてものを、どれだけ自分に落とし込んでも、トイレの水、あるいは風呂場のお湯と共に下水道へと流されてゆく。今回は「この時代」に「この時代」を描いてみた。言い方をさっきの話に戻してみる。トイレの水を、流されないように、せき止めてみた。そしたら、人間から出たであろう汚いものは簡単に溢れ出してきた。「映画」に携わる全ての方に敬意を表し、そんな素敵なお芝居を作ろうと思う。
日野祥太
いつか。
わたしは
ただのぼかされた背景でしかないと薄々感じていたのだけれど、
今ではわたしの外縁から体の中心にかけて
その世界の何割かを占めている事に振り返った時に気が付いた。
今更、気が付いてしまった。
ここは居心地がいいのですか。
薄く伸ばされた白色世界の時間の中で、
またこことは違う別のどこかから、
私達を覗き見ては、生真面目に様子を伺っているのですね。
では、こうします。